CITIZEN x TRANSIT "Friday Flight"

CITIZENの公式SNSアカウントで配信中の
世界中を旅しながら美しい写真と世界の断⽚を切り取るストーリーを綴る連載「FRIDAY FLIGHT」。
TRANSIT編集部による優美な写真と文章が、
CITIZENの腕時計たちを彩ります。

#fridayflight

配信日時 毎週金曜日17時

  • 「父との約束」

    社会人になって7年目。
    仕事も面白くなってきていたけどさらなるキャリアアップのために留学を決意してサンタバーバラに。

    突然のことで会社の上司や同僚は驚いていたけど、父は意外にも笑顔で「思いっきり楽しんでこい」とひと言。

    留学先のUCSBでは授業について行くのがやっと。年下のクラスメイトに助けられてばかり。英語もままならない僕に優しくしてくれるのは共通の趣味のサーフィンがあったから。

    最近では海だけでなく、山でキャンプしたりショートトリップする仲に。サンタバーバラの大自然を眺めては、自分の決断に間違いはなかったと実感する。

    どこへ行くのにも身につけているのが父から「旅立ちの祝いに」と贈られた時計。メローな海でも、緊迫した授業中でも時間をチェックするたびに送り出してくれたときの父の言葉を思い出す。

    時間は平等に流れていく……。
    だからこそ自分なりの充実した時をしっかり刻んでいきたい。

    【着用モデル:CC3067-11L】


  • 「砂漠で感じる贅沢な時間」

    仕事でLAに住み始めて約3年。
    ダウンタウンの近くに住んでいるせいか、渋滞以外は便利な生活を満喫している。

    都会ならではの慌ただしさは東京とさほど変わらないが、日本よりは少しゆるいムードなのがいい。

    それでも時折、都会のしがらみから抜け出したい衝動に駆られる。
    そんなときは携帯電話の電源をオフにしてパームスプリングスへ一人ドライブする。

    ハイウェイ10を走ること2時間弱。ゴツゴツとした岩肌が見えてくる。
    そこには民家もガソリンスタンドもなくひたすら砂漠が広がっている。

    雄大な山々を眺めてゆっくりと深呼吸。聞こえてくるのは、自分の鼓動。大自然の波動まで聞こえてきそうだ。時間の感覚を忘れそうになる。

    ふと時計を見ると、ランチの時間をとっくに過ぎていることに気がつく。老舗のダイナーへ立ち寄ろう。

    昔からあるチェーン店だけど他とは違いダウン・トゥー・アース、地に足着いたムードが好きなのだ。昔のパームスプリングスの風景写真がディスプレイされてギャラリーみたい。
    オーソドックスなバーガーはとてもジューシーでバンズも絶品。好物のオレオシェイクとも相性がいい。

    ゆったり大地の蠢きを感じる時間、美味しい食べ物を味わう時間。僕にとってこの上ない贅沢な時間だ。

    【着用モデル:BN4046-10X】


  • 「成功マインド」

    忙しいスケジュールに追われて、東京で毎日仕事を頑張ってきたけれど、最近うまく流れに乗れていない。気がつけば同じことばかり考えてこの先どこに進んでいいのやら……。そんな頭の中のモヤモヤを断ち切るために思い切って週末ひとり旅を決行。行き先はLA。

    学生時代に訪れて以来だ。都会なのに、空が広くて海が近くて、人ものんびりしていた空気が好きだった。空港から降り立つと、あの頃と変わらない青空が気持ちよく迎えてくれた。

    そうだ、賑やかなビーチタウンに行こう!!さっそくUberに乗ってヴェニスへ向かった。
    ビーチから少し歩くとお洒落な通りアボットキニーがある。ここは世界中のファッショニスタが集まるストリートだ。

    花屋さんを覗いているときに「その時計可愛いね!」と店員に褒められたり、オーガニックカフェでスイーツを頬張っていると「なんていうメニュー?」と、隣のカップルに人懐っこく話しかけられる。LAでは日常的なことのようだけど、このたわいもない会話が私を笑顔にさせてくれた。

    最近、いまこの瞬間を楽しむのを忘れていた気がする。まだ見ぬ未来に不安になったり、過去の失敗にくよくよしてばかりいて、目の前にあるちょっとした幸せに気づけていなかった。

    夕暮れ時、ハリウッドサインを眺めながら、小さく背伸びする。都会にいても自分のペースで時間を刻んでいけばいい。

    私なりの成功マインドが見つかった気がした。

    【着用モデル:EC1144-51W】


  • 「待ち時間の回想」

    彼女を追いかけてLAに飛んできた。
    と言っても、海外出張が多い僕たちにしてはそれほどスペシャルなことではなく、海外デートはたまにあるイベントだ。

    いつもは彼女を待たせる側なのに、今回は彼女の連絡をひたすら待っている。
    その方が僕たちにとって特別かもしれない。

    とりあえずカフェに入って時計をLA時間に直そう。旅先でこの動作をする瞬間がたまらなくワクワクする。

    久々のLAはすごく洗練されていて新鮮だ。
    何度も訪れている慣れ親しんだ街だが時代とともに変化しているのが面白い。

    そもそも西海岸カルチャーにどっぷり浸かったきっかけは古着だった。
    ヴィンテージリーバイスの掘り出し物には目がなく、ローズボウルにもよく通った。

    無駄遣いもしたけれどその経験は今のアパレルの仕事に十分活かされている。
    そんなコレクター癖は社会人になった今でも変わらない。彼女曰く、加速しているらしい。

    そういえばカフェの隣にレコードショップがあったな。彼女から連絡が来るまでそこでこっそり時間を潰そう。
    彼女を待つひとりの時間も楽しまなきゃね。

    【着用モデル:アテッサ / CA4390-04H】


  • 「古き良き、新しい、街」

    いつ来ても、ソウルは新しい。

    去年の春、ブリオッシュが美味しくて3日通いつめたベーカリーがコンビニになっていた。前回泊まったホテルの隣にあった激辛海鮮ラーメン屋さんのビルには「テナント募集中」の貼り紙。最近流行っているという平壌冷麺店には16時にもかかわらず行列ができていた。

    ソウルは歩くに限る。今見ている街の景色は、次来た時にはもう無くなっているかもしれない。そう思いながら、目に足に、記憶を刻み込むようにして、歩く。

    いつ来ても、ソウルは変わらない。

    世界遺産のチャンドックン(昌徳宮)で、朝鮮時代の国王が暮らした部屋を眺め、宗廟に囲まれた北村韓屋マウルで散歩を楽しむ。100年以上の歴史をもつカンジャンシジャン(広蔵市場)の賑わいも、変わらない。キムパッ、コンク(豆乳)、ピンデトク(緑豆チジミ)……。てきぱきと料理をつくり、ひと時も休まないオモニたちの姿はひたすら清々しい。

    餃子屋のベンチに腰かけた。キムチとナムルの前菜、そしてニラ餃子とキムチ餃子が目の前に並べられてゆく。手を合わせていただきますと言うと、その言葉に気がついたのか「日本人だね。一個オマケ!」と、山盛りの餃子の中から一つ、私のお皿にのっけてくれた。キムチ餃子は、ちょっぴり辛くて優しい味がした。

    【着用モデル:xC / EC1165-51W】


  • 「青と白に見惚れて」

    朝8時半に福岡からフェリーに乗り、お昼前に釜山港についた。大きな仕事が一つ終わって、気分転換がしたかった。でもそんなに長くは休めない。そんな時、私は東京でも京都でもなく釜山に行く。

    釜山は海の街だ。海雲台ビーチに足を延ばし、砂浜を散歩した。白いパラソルがはためき、家族やカップル、旅人たちが自由な海時間を楽しんでいる。新しい高層ビルが増える一方、昔ながらの港町としての顔つきも健在。年季の入った食堂に入り、タラのスープ定食を食べた。

    19世紀末に開港して以来、貿易港として栄えてきたという釜山。新鮮な魚介類がひしめくチャガルチ市場はまさに釜山の台所で、肉より魚派の私は、だからソウルよりも釜山が好きだ。ハングル語はなかなか読めるようにならないけれど、いつだって圧倒的なエネルギーをもらえる。

    今回の宿泊先に選んだ民泊は、どうやらセンスのいい家主らしい。棚には陶磁器の器がずらりと並び、朝日が当たってさらに綺麗に見えた。家主はお茶が好きな人のようで、茶葉も豊富に揃えてあった。急須のところにカードが一枚。「Have a good trip!」 小さくつるんとした白磁の茶器を手に取り、緑茶を一服して考えた。こんな韓国もあるんだな。今日は帰りのフェリーの時間まで、陶磁器探しをしてみようか。

    【着用モデル:CITIZEN L / EM0659-25E】


  • 「世界でいちばん美しい場所」

    エベレストをはじめて登った登山家ジョージ・マロリーは「なぜ山に登るのか」という問いに「そこに山があるからだ」と答えたのは有名な話。

    ネパールでトレッキングをするとなると、最低でも10日、欲を言えば2週間という日程が必要になってくる。そんな長旅、しかもずっと山となると、「なぜ」という問いを僕自身も受けることになる。マロリーのような答えをしないにしても、ランタン渓谷に限っては「世界でいちばん美しいから」が回答だ。

    1950年代にネパールを調査した冒険家・H.W.ティルマンはその報告でランタン渓谷は世界でいちばん美しい場所だと記した。それから60年以上経った今も、ランタン渓谷には神々しい峰々、ヤクとよばれる高所に適応したウシを放牧して暮らす人たちがある。

    渓谷の奥へと進むと村はなくなり、キャンプの日々がはじまる。人が暮らせるのは作物を育てることのできる4000m前後が限界。それ以上の標高には草一本生えていない過酷さを極める山々が連なる。薄い酸素にあえぎ高山病の恐怖に怯えてたどり着いた渓谷の再奥部には、神々しさすら感じさせる風景が広がっていた。

    ただ息を飲むばかりの美しさを自分の目で確かめるために、僕は山へと向かうのだ。

    【着用モデル:SATELLITE WAVE GPS / CC7005-16E】


  • 「旅人が集う街」

    ネパールを旅するときはいつも、カトマンズには目もくれずに山へと向かっていた。

    エベレストのベースキャンプ、アンナプルナ峰の周遊トレイル、そしてネパール最後の秘境と呼ばれるドルパ地方といった「世界の屋根」とも呼ばれる山岳エリアは旅人を惹きつけて止まない。旅の日数は限られているがゆえ、カトマンズは「中継地点」でしかなかったのだ。

    ところが悪天候で国内線が飛ばないと聞き、なんの気なく街へと繰り出すことに。ところ狭しと雑多な店が並ぶタメル地区、緻密な木彫が施された建築群・ダールバール広場、巡礼者がひしめくカトマンズ最大の仏教寺院・ボーダナート…。クラクションが鳴り響く埃っぽいだけの街だと思っていたカトマンズは、ネパールの人たちが築き上げてきた暮らしと文化が詰まっていた。

    コーヒー、ではなくチャイのスタンドでひとやすみ。地図を広げてこれからはじまる旅に思いを馳せつつ、顔を上げるとお土産売りのおじさんと目があった。ニコッと笑って差し出した手織りのマフラーを手に取ると、素朴で柔らかい手触りがした。

    「カトマンズがなかったら、ネパールの旅は味気ないのかも」。目的地に行くだけが旅じゃない。わずかばかりの街の日々がふと愛おしくなった。

    【着用モデル:Satellite Wave GPS F990 / CC7005-16E】


  • 「アメリの丘」

    朝のパンの匂いで目を覚ます。時計の針はまだ6時を過ぎたばかりだ。まだちょっと早いけど、焼きたてのパンを目当てにさっと家を出る。モンマルトルを散歩して、目覚めのエスプレッソを一杯。

    映画「アメリ」を観てから、モンマルトルの空想の世界に浸っていた。はじめて訪れたかの地は、想像の世界のそれだった。アメリが働いていたカフェもあるし、丘の上にはサクレクール寺院が悠々とそびえ立ち、パリの街を見下ろしている。

    路地に入ると「MUSE」というお花屋さんを発見。店内を覗くと、日本よりもワイルドで、個性豊かなお花たちが所狭しと空間を彩っている。おしゃれなセレクトショップが並ぶマレに、歴史あるサンジェルマン、シャンゼリゼ通りもオペラ座も素敵。けど私のパリは、やっぱりモンマルトルだ。

    【着用モデル:エコ・ドライブ Bluetooth / EE4019-11A】


  • 「新しい夜の都」

    昼の光も美しいけど、オレンジ色の街灯が照らす夜も色鮮やかなのがパリという街。

    いま私にとって面白いのがベルヴィルだ。駅を出て、坂道をのぼっていけば”ならず者”という、なんとも下町感溢れる店名のカフェが赤色のネオンを灯している。

    小高い丘の上にあるこのエリアは、様々な人種が混じり合う下町というイメージから、かつては治安も不安視されていた。けれど最近は新しいお店も増え、ワインバー「La Cave de Belleville」は週末になると食にうるさいパリジャン・パリジェンヌたちでごった返すほどの大盛況。

    店内では、ワインやチーズも売られていて、席がとれなかった人たちは商品が陳列された棚をテーブルにしてエスプリを効かせた会話を交わしている。そんなラフなスタイルがなんともパリっぽいと私は思う。

    ワインを一杯やって、隣のラオス料理屋やベトナムのフォー、はたまた中華の餃子でしめるのがベルヴィルのスタイル。様々な人種が混ざり合うこの下町は、いわゆる”パリ”のイメージを覆し、リアルな街の姿を感じられる。

    【着用モデル:CITIZEN L / EM0640-91D】


  • 「始まりの場所」

    社会人になって8年が経ち、仕事もまかせてもらえるようになったし、給料にも納得していた。でもなにかが物足りない日々。両親を安心させようと、自分の気持ちを抑え込み、とりあえず就職をしてしまったことが心にひっかかっていた。

    「憧れのファッションの世界に飛び込もう」そう決心した時は、パリ行きのチケットをおさえていた。初めての一人旅は、希望と不安がブレンドされたような心のなかをパッと明るくしてくれた。

    セーヌ川の中州であるサン=ルイ島も、隣のシテ島とともに「パリ発祥の地」と言われる場所。私の新しい人生も始まったばかり。

    そういえば腕につけたxCもサクラピンク、始まりの季節の色だ。セーヌ川にかかる橋のベンチに腰かけ、有名なアイスクリーム屋「ベルティヨン」でアイスを食べながら、そんな偶然にちょっと笑った。

    【着用モデル:クロスシー ES9354-51A】


  • 「エッフェル塔の嫌いなやつは、エッフェル塔に行け」

    パリのシンボルであるエッフェル塔が建設された当時、芸術家から猛烈な批判を受けていたのを知ったのは、大学に入って建築の勉強を始めた頃だった。

    芸術家の一人は、パリで唯一エッフェル塔が見えない場所、塔の下にあったレストランに毎日通ったという。彼が残した言葉が頭にこびりついた。建築家として独立した今年、その言葉を思い出してエッフェル塔に行こうと思い立った。

    夕日に照らされた塔は、石造りが基調の重厚で背が低い建物が並ぶパリではよく目立つ。その光を追って、下まで行ってみる。見上げると四つの足の稜曲線が空に向かって伸び、シャンパンゴールドに輝く。

    かくいう自分も、高慢にみえるパリが苦手だったし、その象徴も好きにはなれなかった。でも自分の目で見たエッフェル塔は圧巻で、たしかに美しかった。先入観を捨て、新しいことにチャレンジしてみる。自分の世界が少しだけ広がった。

    「エッフェル塔の嫌いなやつは、エッフェル塔に行け」

    【着用モデル:アテッサ CC4000-59E】


CITIZEN公式SNSアカウント

facebook
Instagram