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[ STORY 03 ] 極地の空から
見えてきたもの
極地の空から
見えてきたもの

JASON ROBERTS JASON ROBERTS

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

映画作家 / 極地専門家 /
環境保護活動家 / ホッキョクグマの権威
映画作家 / 極地専門家 /
環境保護活動家 / ホッキョクグマの権威

LAT.LNG: 78°13'N 15°33'E

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極地の空から見えてきたもの極地の空から見えてきたもの LIFE LESSONS FROM THE FROZEN NORTH

スヴァールバル諸島,
ノルウェー
ロングイェールビーン

ノルウェーと北極の中間に位置する氷の群島「スヴァールバル諸島」は、クジラ、ホッキョクグマ、トナカイの有数の生息地だ。しかし、この手つかずの自然は、地球上の他のエリアの7倍もの速さで温暖化が進んでいる。
オーストラリアの映画作家ジェイソン・ロバーツは、気候変動の最前線のこの島で30年以上暮らしてきた経験から、彼が学んだ人生の教訓を語ってくれた。

Norway Norway

ノルウェー ノルウェー

Svalbard

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スヴァールバル諸島

スヴァールバル諸島

Longyearbyen

ロングイェールビーン

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MOVIE
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[ STORY 03 ] [ STORY 03 ] 極地の空から
見えてきたもの

“私たちは生きるか死ぬかの瀬戸際で、 常に限界に挑戦しています。” “私たちは生きるか死ぬかの瀬戸際で、常に限界に挑戦しています。”

“WE’RE OFTEN ON THE EDGE OF EXISTENCE AND ALWAYS PUSHING THE LIMITS.” “WE’RE OFTEN ON THE EDGE OF EXISTENCE AND ALWAYS PUSHING THE LIMITS.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“私たちは生きるか死ぬかの 瀬戸際で、常に限界に 挑戦しています。” “私たちは生きるか死ぬかの瀬戸際で、常に限界に挑戦しています。”

“WE’RE OFTEN ON THE EDGE OF EXISTENCE AND ALWAYS PUSHING THE LIMITS.” “WE’RE OFTEN ON THE EDGE OF EXISTENCE AND ALWAYS PUSHING THE LIMITS.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“私たちは生きるか死ぬかの瀬戸際で、 常に限界に挑戦しています。”

アウトドアやアドベンチャー好きにとって、ジェイソン・ロバーツの仕事は夢のように思えるかもしれない。スヴァールバル諸島を拠点とする彼の映画会社「PolarX」は、過酷な環境でコンテンツを制作するドキュメンタリーや長編映画の撮影クルーに対して、安全管理や機材運搬などのサポートを提供している。ジェイソンの経歴は、BBCの著名なTVシリーズ「ブループラネット」(2001年)や「フローズンプラネット」(2011年)から、ハリウッドの超大作アクション映画シリーズまで多岐にわたる。しかし、この仕事は映画スターのような華やかなものばかりではない。凍傷との戦い、危険なホッキョクグマとの遭遇、そして家族や友人との長い別れなどの困難が伴う。「私たちは常に過酷な状況で働いています。これまでの野生動物撮影の遠征で最も長かったのは、7ヶ月半。しかもテント生活で、一番寒い日はマイナス58℃でした」とジェイソンは語る。

ジェイソンが一緒に仕事をしているネイチャードキュメンタリーのクルーたちは、こうした過酷な状況に慣れているが、ハリウッドの映画クルーはそうはいかない。「彼らはまるで別の惑星に降り立ったかのような感覚に襲われ、恐怖さえ感じたかもしれません。過酷な環境下での撮影は、物流とクルーの安全が最優先事項です。私たちは生きるか死ぬかの瀬戸際で、常に限界に挑戦しています。だから経験が最も重要なのです。PolarXでの仕事は、教室では決して学べないでしょう」とジェイソンは言う。時に、極地での経験はその人の人生観をも変えるという。極地で自然に対する畏敬と感謝の念を身につけた映画クルーは、大自然のアンバサダーとなって帰国するのだそうだ。

“私たちは生きるか死ぬかの瀬戸際で、 常に限界に挑戦しています。”

“若い世代に、ありのままの自然の姿を 見せることが重要だと感じています。” “若い世代に、ありのままの自然の姿を見せることが重要だと感じています。”

“SHOWING THE NATURAL WORLD IN ITS RAW FORM, ESPECIALLY TO THE YOUNGER GENERATION, IS MORE IMPORTANT THAN EVER.” “SHOWING THE NATURAL WORLD IN ITS RAW FORM, ESPECIALLY TO THE YOUNGER GENERATION, IS MORE IMPORTANT THAN EVER.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“若い世代に、 ありのままの自然の姿を 見せることが重要だと 感じています。” “若い世代に、ありのままの自然の姿を見せることが重要だと感じています。”

“SHOWING THE NATURAL WORLD IN ITS RAW FORM, ESPECIALLY TO THE YOUNGER GENERATION, IS MORE IMPORTANT THAN EVER.” “SHOWING THE NATURAL WORLD IN ITS RAW FORM, ESPECIALLY TO THE YOUNGER GENERATION, IS MORE IMPORTANT THAN EVER.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“若い世代に、ありのままの自然の姿を 見せることが重要だと感じています。”

ジェイソンがPolarXを設立した当初の動機は、自身がエキサイティングな遠征に出る口実をつくるためだった。しかし、時が経つにつれ、彼は自分が制作に関わった映画やドキュメンタリーが伝えるメッセージが、仕事の重要な要素であると考えるようになった。「人類は自然からますます遠ざかっています。これは危険なことです。特に若い世代にありのままの自然の姿を見せることは、今まで以上に重要だと感じています」と彼は語る。

スヴァールバル諸島には、まさにありのままの自然そのものが残っている。面積の半分以上が氷河に覆われ、標高1,700メートルの山々が連なり、植物が生息するエリアは1/10もない。人口はわずか2,500人、そのほとんどがロングイェールビーンという港町に集中している。「初めてスヴァールバル諸島のありのままの美しさに触れた時、私は思わず立ち尽くしてしまいました。息を飲むような大自然、極限状態のサバイバル、それが目の前にある。私は一瞬でこの土地に心を奪われたのです」とジェイソンは言う。

“若い世代に、ありのままの自然の姿を 見せることが重要だと感じています。”

“白夜は、極地特有の美しい現象です。” “白夜は、極地特有の美しい現象です。”

“THE MIDNIGHT SUN IS A BEAUTIFUL PHENOMENON THAT’S SPECIAL TO THE POLAR REGIONS.” “THE MIDNIGHT SUN IS A BEAUTIFUL PHENOMENON THAT’S SPECIAL TO THE POLAR REGIONS.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“白夜は、極地特有の 美しい現象です。” “白夜は、極地特有の美しい現象です。”

“THE MIDNIGHT SUN IS A BEAUTIFUL PHENOMENON THAT’S SPECIAL TO THE POLAR REGIONS.” “THE MIDNIGHT SUN IS A BEAUTIFUL PHENOMENON THAT’S SPECIAL TO THE POLAR REGIONS.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“白夜は、極地特有の美しい現象です。”

4月から8月にかけて、多くの観光客がスヴァールバル諸島に集まる。その理由の一つは、太陽が沈まない“夜のない夜”、つまり白夜を見るためだ。「スヴァールバル諸島は北極に最も近い場所なので、5ヶ月間ずっと白夜が続きます。極地特有の美しい現象です」とジェイソンは言う。彼はこの長い白夜を利用して、長期間の野生動物撮影を行なっている。夏の白夜から冬の暗闇へ移り変わる期間は、驚くほど美しい光の効果が得られるため、1年のうちジェイソンが最も好きな季節でもある。「その空を見たことがない人に言葉で説明するのは難しいのですが、太陽が北を照らす時、南の空はピンク色に染まり、北の空には見たことのないような青色が広がるんです」

ジェイソンにとって空は切り離せない存在だ。遠隔地へのクルーや機材の輸送、野生動物のドキュメンタリーのための空撮、長編映画のための空中スタント撮影など、ヘリコプターや飛行機はすでにジェイソンの一部になっている。彼自身、13歳でグライダーに乗り始め、15歳で初の単独飛行に成功している。「父親のピックアップトラックの後部座席から、地元のグライダークラブの飛行機が野原の上を飛んでいくのを見て以来、子供時代の私は空を飛ぶ夢でいっぱいでした。空を独り占めする、あの感覚がたまらないんです」とジェイソンは語る。

“上空からは、極地の自然の 無限の広がりを体で感じることができる。” “上空からは、極地の自然の無限の広がりを体で感じることができる。”

“FROM ABOVE, YOU EXPERIENCE THE VASTNESS, THE INFINITY, THE ENDLESSNESS OF THE POLAR REGIONS.” “FROM ABOVE, YOU EXPERIENCE THE VASTNESS, THE INFINITY, THE ENDLESSNESS OF THE POLAR REGIONS.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“上空からは、 極地の自然の無限の広がりを 体で感じることができる。” “上空からは、極地の自然の無限の広がりを体で感じることができる。”

“FROM ABOVE, YOU EXPERIENCE THE VASTNESS, THE INFINITY, THE ENDLESSNESS OF THE POLAR REGIONS.” “FROM ABOVE, YOU EXPERIENCE THE VASTNESS, THE INFINITY, THE ENDLESSNESS OF THE POLAR REGIONS.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“上空からは、極地の自然の 無限の広がりを体で感じることができる。”

飛行機から見る大自然の風景は、他では見ることのできない圧倒的な魅力に満ちている。「空から見るスヴァールバル諸島は雄大で、巨大で、まるで異世界です。氷河と山々が連なる大自然は、時が止まったかのようです。氷冠や無数の尖った山々の美しさは言葉では言い表せません。上空からは、極地の自然の無限の広がりを体で感じることができるんです」と彼は言う。しかし、上空からの風景は、同時に地球温暖化の影響を露わにする。ジェイソンは、スヴァールバル諸島の2,100の氷河が縮小していく光景に衝撃を受けたという。

上空からの視界は、群島の豊かな野生生物の鑑賞にも適している。16世紀以降、スヴァールバル諸島は、人類がクジラやホッキョクグマ、アザラシ、セイウチ、トナカイなどの自然の恵みを搾取する場所だった。今では、温暖化による苔や植生のおかげで、トナカイの個体数は急増している。1973年に保護措置が導入されて以来、ホッキョクグマの個体数も同様に約3,000頭まで増加している。これは良いニュースのように聞こえる。しかし持続可能かどうかは分からない。海洋の温暖化により、ホッキョクグマが狩りをする海氷の領域が減少し、彼らの食物連鎖の底辺にある植物プランクトンが脅かされているのだ。

“上空からは、極地の自然の 無限の広がりを体で感じることができる。”

“一人ひとりの行動が重要です。 地球という惑星は一つしかないのだから。” “一人ひとりの行動が重要です。地球という惑星は一つしかないのだから。”

“THE ACTIONS OF EVERY SINGLE PERSON COUNT. WE ONLY HAVE ONE PLANET CALLED EARTH.” “THE ACTIONS OF EVERY SINGLE PERSON COUNT.WE ONLY HAVE ONE PLANET CALLED EARTH.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“一人ひとりの行動が重要です。 地球という惑星は 一つしかないのだから。” “一人ひとりの行動が重要です。地球という惑星は一つしかないのだから。”

“THE ACTIONS OF EVERY SINGLE PERSON COUNT. WE ONLY HAVE ONE PLANET CALLED EARTH.” “THE ACTIONS OF EVERY SINGLE PERSON COUNT.WE ONLY HAVE ONE PLANET CALLED EARTH.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“一人ひとりの行動が重要です。 地球という惑星は一つしかないのだから。”

人類もまた、自らの食料供給の持続可能性について問題を抱え、その解決策を探っていた。2008年にスヴァールバル諸島に開設された現代版のノアの方舟とも言える「世界種子貯蔵庫(Global Seed Vault)」は、130万種以上の作物の種子を永久凍土に保管することで、地域紛争や地球規模の災害の際に食料を確保することを目的としている。そこまで大規模ではないが、ジェイソンもスヴァールバル諸島の保護を目的にした直接的な取り組みを進めている。ここ数年間、彼はスヴァールバル諸島に流れ着き、マイクロプラスチックとして食物連鎖に入り込んでいる海洋プラスチックの清掃活動を情熱的に実施している。「スヴァールバルは私にとって自宅の庭と同じです。ここの美しさを守ることは私の大切な使命のひとつなんです」と彼は語る。

どこに住んでいようと、その土地の環境に対して個人が責任を持つという考え方は、ジェイソンの哲学の常に中核にある。「たとえ自宅の庭や近所の公園であっても、自然への感謝を忘れてはいけない。私たちは自然の一部です。だから一人ひとりの行動が重要なのです。地球という惑星は一つしかないのだから」と彼は締め括った。

“一人ひとりの行動が重要です。 地球という惑星は一つしかないのだから。”

“初めてスヴァールバル諸島の美しさに触れた時、 私は思わず立ち尽くしてしまいました。” “初めてスヴァールバル諸島の美しさに触れた時、私は思わず立ち尽くしてしまいました。”

“THE FIRST TIME I EXPERIENCED THE RAW BEAUTY OF SVALBARD, IT STOPPED ME IN MY TRACKS.” “THE FIRST TIME I EXPERIENCED THE RAW BEAUTY OF SVALBARD, IT STOPPED ME IN MY TRACKS.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“初めてスヴァールバル諸島の 美しさに触れた時、私は思わず 立ち尽くしてしまいました。” “初めてスヴァールバル諸島の美しさに触れた時、私は思わず立ち尽くしてしまいました。”

“THE FIRST TIME I EXPERIENCED THE RAW BEAUTY OF SVALBARD, IT STOPPED ME IN MY TRACKS.” “THE FIRST TIME I EXPERIENCED THE RAW BEAUTY OF SVALBARD, IT STOPPED ME IN MY TRACKS.”

ジェイソン・ロバーツ ジェイソン・ロバーツ

“初めてスヴァールバル諸島の美しさに触れた時、 私は思わず立ち尽くしてしまいました。”

INTERVIEW WITH

  • JASON ROBERTS

    ジェイソン・ロバーツ

    映画作家 / 極地専門家 / 環境保護活動家 / ホッキョクグマの権威

    PROFILE

    JASON ROBERTS

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    ジェイソン・ロバーツ

    映画作家 / 極地専門家 / 環境保護活動家 / ホッキョクグマの権威

    受賞歴のある映画作家であるとともに、極地専門家、環境保護活動家、ホッキョクグマに関する世界的権威の顔も持つ。自然史ドキュメンタリー、ハリウッド映画、そして画期的なドラマシリーズの製作に携わり、人生のほとんどを北極と南極に捧げてきた。映画製作の前は、研究機関で極地に関する現地調査プロジェクトに参加。現在は極地への情熱から、ヨットマン、アーティスト、探検家たちのサポートを続けている。映画やアート、そしてそれを生み出す探検が、若い世代への自然を守るインスピレーションとなることが彼の願いだ。

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