PEOPLE 04

KEIYA HIRAMOTO

CONSULTANT/ Shape the Dream

つまらないプライドを捨てたことで、
僕の人生は大きく変わった。

豪華絢爛なスーパーボウルの盛り上がりも手伝ってか、日本でも注目を浴びつつあるアメリカンフットボール。身体と身体が激しくぶつかり合うスポーツゆえに、その選手寿命は短いと言われるが、引退後の理想的なセカンドキャリアを体現しているのが平本恵也さんだ。
普段はコンサルタントとして働きながら、休日はNPO法人Shape the Dreamの理事として学生アスリート向けのキャリア教育やコーチングを行い、青山学院大学専門職大学院国際マネジメント研究科(通称:青山ビジネススクール)にてMBA(経営学修士)取得を目指して学ぶ日々。そんなアクティブな平本さんにとって、「時間」は常に意識の片隅にあるものだという。

「カラダの軸をブラさないように、体幹を意識してもう1回やってみよう」。
昼下がりのグラウンドで、一回り離れた大学生たちを相手に熱心な指導をする平本さん。彼らにとっては憧れのトップアスリートから直に学べる貴重な機会だが、それは自身にとっても同様なのだという。
「人に教えることって、自分の成長にも繋がるんですよ。言語化することで自分自身の思考の整理になるというか。何より、『今の若い子たちってこうだよね』って決め付けるのではなく、実際に彼らと生で接することでリアルな考え方に触れることができますし、僕自身も良い刺激になっています。それに、まだまだ若い子には負けられませんから(笑)」。

中学から始めたアメフトは、気づけば人生の半分以上を捧げた。学生時代はクオーターバック(QB)としてチームの司令塔を務め、U-19日本代表にも選抜。社会人となってからも富士通フロンティアーズでプレーを続け、5度の日本一に貢献した。そして2019年シーズンを最後に現役を退くと、チームの先輩である白木栄次さんが立ち上げた、NPO法人 Shape the Dreamに参加することになる。
「将来はこうなりたい…とか、『こんなアイディアがあるんですよ』って、しょっちゅう相談に乗ってもらっていて。ビジネススクールを勧めてくれたのも白木さんでした」。
白木さんもまた、「ロールモデルというか、学生たちが平本の活躍を見て『あ、引退後もそういうキャリアが描けるんだ!』って感じてくれたらいいですよね。テレビに出るような有名アスリートじゃなくても、社会事業を通して学生やスポーツのために貢献できるということを」と、平本さんに大きな期待を寄せている。

平本さんがShape the Dreamの一員として立ち上げたのが、アスリートとコーチのマッチングコミュニティ「meetsCoach」だ。これは指導者不足に悩む学生アスリートに対し、トップリーグで活躍するアスリートをさらなる高みへ導く伴走者となるコーチとして派遣することで、学生アスリートの可能性を広げることを目的としたプログラム。アメフトからスタートした「meetsCoach」は、日本を代表するトップアスリートに学べるチャンスとあって、全国の大学やチームから問い合わせが多く寄せられ、2021年3月からはバスケットボールやチアリーディングにも競技の幅を広げている。
「スポーツを発展させていくには、裾野を広げていくことと、トップのレベルを引き上げていくこと。この両輪をうまく回していくことが重要だと考えています。たとえば、今いきなり日本人選手がNFLにデビューできたとしても、次に続く選手がいないため一時的なブームで終わってしまう。ラグビーだってワールドカップの結果ばかりが報じられていましたけど、しっかりと裾野や土台ができていたから、その後も人気が衰えていない。それって最近のバスケも同じですよね。もちろんトップの引き上げも大切ですが、地方だとか下位リーグで指導者がいない学生たちに対して、積極的にサポートをしてあげたい。そうやって裾野の拡大や土台作りをすることが、僕の使命だと思っています」。

今回、初めてアテッサの「ACT Line」を手にした平本さん。スポーツウェアにもフォーマルなスタイルにも自然と溶け込むデザインが魅力だが、何より驚いたのは100グラムにも満たないその“軽さ”だったとか。
「今日も腕に着けたまま運動してみたんですけど、全然違和感がなかったです。ほとんど“腕時計をはめている”っていう感覚がない。あと、僕は結構むくみやすい体質なんですけど、ボタンを押すだけで簡単にバンドの長さを微調整(フィットアジャスター)ができるのも便利。お風呂以外はもう、24時間着けているといっても過言じゃないかも(笑)」。
取材当日は雲ひとつない快晴だったが、光の反射を抑えて時計の文字板を見やすくする技術「クラリティ・コーティング」にも感銘を受けたという。
「他の時計だと少し傾けただけで反射して見えなくなりますけど、これは完璧ですね」。
細部までこだわり抜かれた機能美を持つアテッサは、もはや平本さんの生活に欠かせない相棒となりつつあるようだ。

トップアスリートであれば誰しも突き当たる課題が、引退後に訪れる第二の人生、つまりセカンドキャリアである。しかし平本さんは、現役時代から自身の将来的なビジョンを描いていた。
「他のスポーツと違うのは、月曜日から金曜日までフルタイムの従業員として働くんです。チーム練習は基本的に土日だけで、平日は各自トレーニングをするというカタチだった。たとえチームで日本一に輝いても、仕事がボロボロだったら一切評価してもらえないんですよ(笑)。そのため、自然と仕事のことを考えるようになるし、引退後のキャリアについても現役中からイメージはできていました」。
職場でもフィールドでもシビアな環境に身を置いてきた経験は、結果的に平本さんのタフな精神を育んできたようだ。現在は都内でコンサルタントとして働いているが、仕事における達成感は「アメフトに似ている」と語る。
「アメフトは『準備のスポーツ』と呼ばれているので、試合前にいかに相手チームのビデオを研究するか、傾向と対策を練るかが勝利のカギです。そういう意味では仕事にも似ている部分があって。戦略を立てて、それをいかに完成度高く実行するのか? 計画したものがカチッとハマった時はすごく楽しい」。

コンサル、コーチングと多忙を極める平本さんだが、それらと並行して青山ビジネススクール(ABS)でMBA取得に向けて学んでいる最中だ。
「ずっとスポーツに打ち込んできたので、ビジネスの世界で生きていくには体系的に学び直すことが必要だと感じたんです。また、こんなことがあればいいのに! とかアイディアはたくさん浮かぶんですけど、それってホントにビジネスになるのか? どのようにして0から1を作り出したら良いのか? という点においても、MBAの知識が必要だなと思ったので、ABSを受験しました。コロナの影響で同級生とコミュニケーションを取ることが難しいと聞きますが、ABSはオンラインだけじゃなく対面の授業も設けてくれるので、仲良くなって一緒に自習したりする友達もできましたね」。
また、ABSでの学びはコーチングにおいても大いに役立っているようだ。
「meetsCoachを拡大したり活動の説明をする際の“伝え方“の面で、さっそく実践させてもらっています。コーチングをビジネスにすることも考えてはいますが……。今はやっぱり、社会貢献活動として自分の中で線引きしています」。

分刻みのスケジュールをこなす平本さんのもうひとつの顔が、二児の父親。前の職場では出張が多く週の半分は家を空けていたそうだが、最近はもっぱら在宅でのリモートワークが軸となっているため、今年で3歳になる下のお子さんがよく懐いてくれるようになったと顔をほころばせる。
「ただ、在宅だからこそ“時間”というのはすごく意識しますね。家にいると時間感覚が鈍くなるので、よくご飯の時間に遅れて奥さんに怒られています(笑)。あ、そういう意味では、アテッサを着けるようになってから遅刻しなくなった気がしますね。スマホで時間を確認することもありますけど、画面が点かないと気づかないじゃないですか。PCも、作業に集中していると小さなデジタルの時計は目に入らないし。でも、アテッサは文字板が見やすくて反射もないので、どの角度からでもサッと時間が目に入ってくる。以前は家で腕時計なんて……と思っていたのに、今ではむしろ積極的に着けるようになりました」。

シチズン独自の技術が生み出した、唯一無二の素材「ブラックチタン™」を採用したアテッサは、家族からの評判も上々のようだ。
「真っ黒でもない、グレーでもない、ガンメタリック系のカラーが良いですよね。それに、この綺麗なオレンジが挿し色として効いている。ウチの奥さんも『カッコいいね』って言ってくれましたし、子どもたちも相当気に入ってます。特に上の子は、テレビアニメの影響か腕時計が気になってしょうがないようで、僕がお風呂に入ってるスキを狙っては腕にはめて遊んでますよ(笑)」
年齢を問わず、男ゴコロをくすぐるアイテム。腕時計には、いつの時代も少年たちの好奇心を掻き立てる魅力があるのかもしれない。

順風満帆に見えた平本さんのアスリート人生だが、現役時代は様々な挫折も味わったという。
「学生の頃にそこそこ評価されて天狗になっていたんでしょうね。完全にナメていたので、社会人ではなかなか試合に出られませんでした(苦笑)。でも、そういう時にこそ素直にみんなのアドバイスを聞いて、自分からコミュニケーションを取るように心がけてみたんです」。
すると、チームの仲間やコーチも遠慮せずに意見を言ってくれるようになったそうで、平本さんは富士通フロンティアーズにとって欠かせないプレイヤーとして貢献。その後の栄光については言うまでもないだろう。
「自分を客観的に見ることで、新しい道が開けたりもする。だから白木さんみたいな人にも出会えたんですよね。つまらないプライドを捨てたことで、僕の人生は大きく変わったような気がしています」。
スポーツの第一線で戦ってきた選手が、ビジネスの世界でも第一線で戦っているということ。平本さんの活躍は、日本中のアスリートにとって確かな希望となっている。

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ビジネススタイルの多様化に合わせ、アクティブに働く男性ビジネスマンに向けた新シリーズ「ACT Line」で一番人気のモデル。本機は、シチズン独自の技術が生み出した唯一無二の素材「ブラックチタン™」を採用。洗練された佇まいと上質なブラックボディが、ON/OFF問わずどんなスタイルにも映える。

PROFILE : 平本恵也

1987年生まれ。中学からアメリカンフットボールを始め、中学3年時にはフラッグフットボールで日本一に。高校・大学とプレーを続け、日本大学では2年生時に学生決勝に出場、U-19日本代表にも選抜される。富士通へ入社後は、社会人チームの富士通フロンティアーズでプレーし、5度の日本一や日本代表を経験し2019年シーズンを持って引退。2020年より青山学院大学専門職大学院国際マネジメント研究科に在学中。引退後もスポーツ界へ貢献したいという思いから、2020年よりNPO法人Shape the Dreamに理事として参画。

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