PEOPLE 01

YUKI NARUSE

SERIAL ENTREPRENEUR/ ON THE TRIP代表

過去は未来によってつくられる。
世界中を旅して見えたこと、
それは時間に対する向き合い方。

まるで自分が旅をしているかような、世界のいろんな情報に触れることができるモバイルメディア「TABI LABO」を創業した成瀬勇輝さん。
「本格的に起業学を学びたい」と起業学で有名なアメリカのバブソン大学に留学。日本の名だたる起業家が歩んできたエリートコースを歩むなかで、その留学期間に「世界一周しよう」と思い立ち、30ヶ国をめぐった。そして訪れた国々で活躍する日本人に出会い、話を聞き、記事として世界に発信していった。

「キリマンジャロに登ったときは標高4,000メートルの高さでもネットがつながりましたし、砂漠の真ん中でもインスタグラムを通じて模様を伝えることもできました。
インターネットの普及によって、それこそスマートフォンひとつ持てば、世界のどことも、誰ともつながれるんだということを実感できたんです」。世界を旅したい、そんなユーザーの気持ちを喚起させつつ、背中のひと押しができるようなモバイルメディアを……。「TABI LABO」はそんな想いを持つ有志によって生み出された。

社会問題からライフスタイルまでさまざまな世界の情報を発信し続ける「TABI LABO」は瞬く間にユーザーの支持を得て、巨大なモバイルメディアへと成長していった。
その時期、成瀬さんは「会社が家でした」というほど事務所に居続け、寝る間も惜しんでコンテンツ制作に勤しんだ。その日々のなかで沸き上がってきたのが「もっと日本の歴史や文化を世界に発信できるメディアをつくりたい」という想いだった。それが今、バスで日本中を旅しながら取材し、各地の魅力をコンテンツとして配信するオーディオメディア「ON THE TRIP」だ。

独自の表面硬化技術「デュラテクト」を純チタニウムに施しつつ、その質感を高めるソリッドなデザインに仕上げられた「アテッサ」を手にした成瀬さん、やはり気になるのはそのデザイン性と機能性だ。「今使っている仕事道具って、無駄なく最低限の機能を持ち合わせたものを選んでいるんです。デザインもこのさりげなさがすごくいい。『アテッサ』は僕の生き方にもマッチしますね」。肌触りよく腕に馴染むスーパーチタニウム™からなる「アテッサ」。ソリッドでありながら薄く滑らかなデザインが、未来を切り開く男の琴線に触れたようだ。

「以前とは真逆の生活です。家はバスで、スタッフと2〜3人で暮らしながら数ヶ月おきに違う土地へ移動して、その土地の風土や歴史に触れながら仕事をする。100パーセント、ノマド生活です」と「ON THE TRIP」での取材の日々を笑顔で話す成瀬さん。
「バスでの生活って、その土地の気候をダイレクトに体感できるんです。それがコンテンツにリアルな温度感を与えてくれています。寒い時期には南に下っていって、暖かくなったらまた全国津々浦々へ……という動き方ですね」。日々移り変わる風景を目にしながらの生活……旅を愛する人、成瀬勇輝が求めていたものが実現している。

文字板には世界の主要都市名が刻まれており、りゅうずを一段引いてその都市名に秒針を合わせると、瞬時にその都市の時刻とカレンダー表示に切り替える「針表示式ダイレクトフライト」機能にも成瀬さんは感心を示した。
「海外に行っても日本と仕事のやりとりが頻繁にあるので、スマホで日本時間を、そして腕時計で現地時間を確認してタイミングをチェックするという使い方に最適ですね」。成瀬さんはもちろん、グローバルな世界で生きる私たちにとっても活用の幅を感じさせてくれる機能であることを説いてくれた。

そんな旅を日常とする成瀬さんがもっとも心掛けているのが「清潔感」。「お風呂もトイレもないバスでの生活をしている僕ですが、結構綺麗好きなんですよ。仕事は毎日していますし、いろんな方とも頻繁にお会いするので、人と接するときの礼儀として清潔感を持っていたい」。
自由な旅人という生き方を貫くからこそ譲れない教示が顔を覗かせた。「お風呂には1日2回入ります。特にサウナが好きで、僕のスイッチがオフになるときなんです。ほら、サウナってスマートフォンを持ち込めないじゃないですか。逆にサウナから出ると気持ちが引き締まって、仕事もはかどるんですよ」

「未来が過去を定義していく」——。“時の流れ”に対して独自の理論を持つ成瀬さんは「時間は未来から過去に流れている。未来によって過去はいつだって変えられる」と語る。
「どんな未来を思い描いて、どう実行したか。その結果が過去であって、“これまでがこれから”ではなく“これからがこれまで”をつくっていく……という発想で向き合うことが、自分の歴史を築き上げていくんだと考えています」。時間や年齢にとらわれることなく、ただひたすらに未来に向かって走っていく。成瀬さんの未来と過去は確かにリンクしているし、これからも変わらず自身の歴史を紡ぎ続ける。

時間を確認するだけなら、スマートフォンひとつあれば事足りる。「腕時計を持つことって、そういうことじゃないと思います」と成瀬さんは語る。
「なぜそれを持つのか、それは各々が意味を持たせることが必要なんです。腕時計って、自分のライフスタイルを示すキーパーツでもあるので、重要な会議やシチュエーションで“魅せる”意味で身につける存在としても持っていたいですよね」。自分の生き方をさりげなく共有できる相棒のような存在、腕時計にはそんな役割が秘められている。

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エコ・ドライブ電波時計ダイレクトフライト:シンプルな操作で世界時刻を表示するダイレクトフライトを搭載。発売以来、圧倒的な支持を誇る不動の定番モデル。

PROFILE : 成瀬勇輝

1989年東京都生まれ。早稲田大学卒業後、起業学を学ぶべく米バブソン大学に留学。その後帰国、2014年にモバイルメディア「TABI LABO 」設立。2017年、日本国内の伝統や文化をクローズアップするオーディオメディア「ON THE TRIP 」を立ち上げる。「自分の仕事をつくる旅」、「旅の報酬 旅が人生の質を高める33の確かな理由」なども執筆。

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