Special Interview with Matt Guthmiller | PROMASTER(プロマスター) ブランドサイト [シチズン腕時計] | CITIZEN
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SPECIAL INTERVIEW

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Aviating to
the next
challenge

限界を超えて、新たなる空へ。

INTERVIEW MOVIE

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SPECIAL INTERVIEW

INTRODUCTION

パイロット、映像作家、そして起業家でもあるマット・ガスミラーは、2014年に19歳で世界一周単独飛行を達成。その後も空での限界に挑むとともに、ビジネスにおいても挑戦を続けてきた。彼が追求する精度と冒険が、PROMASTERの価値観とどのように共鳴しあっているか語ってもらった。

LOCATION

アメリカ合衆国 オハイオ州

AVIATING TO THE NEXT CHALLENGE

01

障壁を乗り越えるたびに、
可能性は広がる。
限界とは、誰かがそれを
超えるまでしか存在しない。

INTERVIEW 01

マットには、不可能を可能にする秘訣がある。彼は、目の前に立ちはだかる大きな課題を小さなピースに分解して取り組む。2014年に世界一周単独飛行の最年少記録を打ち立てる前、彼は飛行機も持っていなかったし、飛行経験もサウスダコタからアイオワ間しか飛んだことがなかった。しかし、それで彼が諦めたかといえば、むしろ逆だ。

一年をかけて飛行機を探し、スポンサーを集め、世界一周飛行の経験者にアドバイスをもらうなど、着実に課題に取り組んでいった。「まず一歩をクリアして、それから次へ進む。それを何度も何度も繰り返す。やり遂げるための情熱と決意を持ち続けることが何よりも大切なんです」と彼は言う。

INTERVIEW 01

もちろん、課題は準備段階だけにとどまらない。世界一周単独飛行という挑戦は、想像を絶する距離を移動しなければならない。海を越えることもあれば、次の給油地点まで飛び続けなければならないこともある。数時間におよぶ機体の準備を含まずに、16時間半も飛び続けたこともあった。どんなに疲労困憊していても、常に目を覚まし、集中し、生死を分ける天候を先読みして判断しなければならなかった。「一日が信じられないほど長く感じる日もありました。肉体的にも精神的にも極限の状態だった」とマットは語る。

INTERVIEW 01

02

自分なら、飛行のストーリーを
まったく新しいレベルに
引き上げられると確信した。

INTERVIEW 02

2014年当時、SNSはまだ黎明期で、マットは世界中を旅しながら時々Facebookに静止画を投稿する程度だった。それでも45日間・4万8千キロメートルの旅で、約1万人のフォロワーを獲得した。この経験は彼がアメリカ帰国後に始めたSNS活動の足がかりとなった。今では、登録者数は約23万人、数百万回の再生回数を打ち立てた長編動画は約200本近くにのぼり、航空系映像クリエイターの伝説的な先駆者となった。

INTERVIEW 02

「昔から映像制作が大好きでした。いろいろな人の動画を見ているうちに、自分なら飛行のストーリーをまったく新しいレベルに引き上げられるはずだと確信したんです」とマットは語る。彼はSNSという新しい挑戦にも、世界一周単独飛行と同じ体系的なアプローチをした。

最初のVlogではiPhoneとGoProだけで撮影したが、その後着実に機材をアップグレードし、本格的なシネマカメラ、ドローン搭載カメラ、最近ではIMAX品質のコックピットカメラまで導入。最先端のテクノロジーがあれば、技術的な問題に悩まされることなく、素晴らしいストーリーをそれにふさわしい映像で伝えられるというのが、マットの持論だ。

さらにマットは、幅広い層に響くテーマを見抜く“第六感”を発揮した。「人々は見たことのない新しいものが好きなんです」と彼は言う。「航空はいつのまにか日常的になりすぎて、魅力を失ってしまった。自分の最大のヒット作は、誰も見たことのないものばかりです。たとえば、1930年代の旅客機で海を渡るとか、1940年代の戦闘機を操縦するとかね」

INTERVIEW 02
INTERVIEW 02

03

その瞬間、コックピットでは
ただ飛ぶことだけに
集中している。

INTERVIEW 03

記録的な世界一周単独飛行では単発エンジンのビーチクラフト・ボナンザを使用したマットだが、最近はジェット訓練機とヴィンテージ戦闘機にすっかり夢中だ。それらには彼が「本質的なクールさ」と呼ぶ魅力があるという。1940年代後半に開発された後退翼ジェット戦闘機のコックピットに座ると、まるで過去へタイムリープしたような感覚になり、世界で初めて音速の壁を破ったパイロット、チャック・イェーガーが感じた感覚を追体験できる。ノスタルジックな魅力だけでなく、操縦の難しさやライブ感、高揚感、そして完全なる自由が彼を虜にしている。

INTERVIEW 03

2023年、パイロットレーシングスクール最初の年を終えたマットは、軽量訓練ジェット機のアエロ・ヴォドホディ L-39 アルバトロスに乗り、“非協力的”な編隊飛行でリノ・エアレースに参加した。エアレースは「これまでで最もハードだった」と言う。「とにかく集中しなければいけない。時速800キロメートルで地上約15メートルを飛び、約6メートル横に別の飛行機がいる状況では、まばたきする暇すらない。何をしているか考えている余裕もなく、完全にゾーン状態に入り、他のすべてが頭から消え去る。その瞬間、コクピットで、飛ぶこと、死なないこと、レースを続けることだけに集中する。こんな極限状態は他にないと思う」

INTERVIEW 03

04

正確な時計や
地図を元に飛行できるのは
パイロットの基本です。

INTERVIEW 04

マットと直接会ったり動画を見たことがある人なら、飛行のスリルとは裏腹に、その大部分は確認、再確認、再々確認で成り立っていることを実感させられるだろう。計画、バックアップ計画、さらにそのバックアップ計画まで備えること。時計を含めた機器が完璧に機能することは、安全を担保する上で必須の条件なのだ。

「ナビゲーションは時間がすべて」とマットは言う。「どのくらいの速さで飛んでいるか?距離÷時間。どこに着陸できるか?速度×時間。GPSは生活を便利で楽にしてくれるけれど、妨害されたり、受信機が故障したりする可能性もあるので、時には他の手段が必要です。正確な時計や地図を元に飛べることは、パイロットの基本なんです」

INTERVIEW 04

2021年から、マットはワイオミング州アルパインの格納庫付き住宅で暮らしている。そこは美しいテトン山脈の絶景に囲まれていて、いつでもどこへでも飛び立てる自由を与えてくれる場所だ。飛行していない時、マットは2024年にリリースしたオールインワン飛行計画アプリ「8Flight Aviator」の開発に、すべての時間を費やしている。このアプリは、天気図や空港情報、燃料価格情報をリアルタイムで統合し、従来は数分かかっていたフライト計画を数秒で可能にする。

「自分が本当にやりたいことに取り組んでいる時こそ、最高の仕事ができる」とマットは言う。「ビジネスでは、誰も思いつかないアイデアを探してきた。多くの場合、それはもともとシンプルなアイデアなのですが、そこに小さな改善を加えることで、驚くほど大きなアイデアに変身することがあるんです」

INTERVIEW 04

05

限界を突破して、
他の人が
一生やらないことを
するのが好きなんです。

INTERVIEW 05

2024年、マットは初の世界一周単独飛行から10周年を記念し、ターボプロップ機のTBM 850で再び世界一周に挑戦した。ボナンザでの飛行に比べれば、今回の飛行ははるかに簡単で速く快適だったが、別の課題も浮上した。たとえば、日本からアラスカへの飛行区間では、途中どこにも着陸することができなかったため、距離は恐ろしく大幅に延びた。シンプルなボナンザだったら追加の燃料タンクを増設できたが、より複雑な機構のTBM 850ではそれができない。代わりにマットは、燃料切れを起こさずにアラスカに到着するため、適切な天候条件を正確に予測し、追い風が吹くまで数週間待たなければならなかった。

INTERVIEW 05

最初の世界一周単独飛行はFacebookで数千人のファンに静止画として公開されるだけだったが、2度目はテレビ番組として放映が予定されているためより多くの人に感動を与えるだろう。まさにマット流のスタイルだ。改善を繰り返し重ねていくことが、その結果をもたらしたのだ。10代の頃から限界を打ち破り、さまざまな障壁を乗り越え可能性を広げてきたマットの生き方は、PROMASTERのブランドタグライン「Go Beyond」と通じるものがある。人生の哲学を聞かれた彼はこう言った。「限界を突破して、他の人が一生やらないようなことをするのが好きなんです。理論上可能なら、自分が(もちろんあなたも)できない理由はない。簡単に無理だと決めつけない。やりたいことがあるかぎり、何があっても実現する方法を見つけることが重要なんです」

INTERVIEW 05

AVIATING TO THE NEXT CHALLENGE

PROFILE Matt
Guthmiller
マット・ガスミラー

1994年サウスダコタ州生まれ。パイロット、映像作家、起業家。16歳で飛行機の操縦を開始。19歳で世界一周単独飛行を成し遂げ、航空機による最年少記録を樹立(この記録は2年間破られなかった)。航空をテーマにしたSNSで飛行の魅力を紹介するとともに、飛行計画アプリをリリースするなど、空でもビジネスでも挑戦を続けている。

Matt Guthmiller

GO BEYOND

限界の先へ挑み続ける