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サマータイム機能について

サマータイムとは、夏期の時刻を標準時刻よりも進め、日中の時間を有効活用するための制度で、欧米を中心に導入されています。
どんな制度なのかというと、夏を含む一定期間、その国や地域の時刻全体を進め、その期間が終わったら、元に戻すということを行うのです。
例えば、1年間のうち3月から10月までの8ヵ月間は、時刻を1時間進め、11月から2月までの4ヵ月間は、時刻を遅らせて元に戻す、という感じです。
サマータイムを実施するということは、1年間に二回、サマータイム期間が始まるときと、終わるとき、時刻が変更されることになるわけですから、その都度時計を合わせ直さなくてはいけないんですね。
正直、結構面倒です。


そこで、この時計では、次の5つの機能をサマータイム機能に加えることで、どんなときでも正確な時刻やカレンダーを表示させることを可能にしているんです。

なかなか複雑なことになっているように見えますけど、コツさえ押さえてしまえば、特別に意識しなくても便利に使いこなせるよう工夫されています。
一つ一つ見ていきましょう。

時刻の電波(標準電波)に含まれるサマータイム情報

この時計は、4つの標準電波(ドイツ、中国、日本、アメリカ)を受信することができます。
実は、標準電波には、時刻やカレンダーの情報に加え、サマータイムの情報も含まれているんです。
どういうことか簡単に言えば、サマータイムが行われる地域では、サマータイム期間中の標準電波には「今はサマータイム中です」という信号が含まれ、サマータイム期間外には「今はサマータイムではないです」という信号が毎日含まれている、ということです。
日本では、サマータイムは行われていませんから、日本の電波には常に「今はサマータイムではないです」という信号がサマータイム情報として含まれています。
この時計は、標準電波を受信するとき、こうしたサマータイムの情報も同時に受信して、時計の時刻やカレンダー表示に反映させることができるのです。

自動でサマータイムの設定を切り替える

サマータイムの情報を受信したら、それに合わせて、時計の時刻やカレンダーを切り替えたいですね。
標準電波を自動で受信して、サマータイムの設定の切替が自動で行われれば、サマータイム期間が始まっても、終わっても、結局、何もしないで済むのですから。
もちろん、この時計はそれが可能で、この機能のことをサマータイム設定の切替機能と呼んでいます。


一方、サマータイムの設定がいつも自動で切り替わらないほうが良い場合もあります。
例えば、アメリカ合衆国には50の州がありますが、州ごとにサマータイムを実施するかどうか決めることができます。
アメリカ国内で標準電波を受信するとき、サマータイムを実施している州では、サマータイム設定の切替機能は大変便利ですが、そうでない州では、勝手に時刻が1時間進んだり1時間遅れたりするわけですから、不便極まりないですね。
こんな場合に備えて、サマータイム設定の切替機能自体をオフにすることもできるようになっているのです。
まさに、至れり尽くせり、ですね。

手動でサマータイムの設定を切り替える

サマータイム設定の切替機能は、自動で行われますから大変便利ですが、標準電波を受信しなければ働きません。
サマータイムを実施する地域で、どうしても標準電波を受信できないときは、手動でサマータイムの設定を切り替えましょう。
手動でサマータイムの設定を切り替えると、すぐにサマータイムや通常時の、時刻やカレンダーに表示を切り替えることができます。


ところで、この手動による表示の切り替えは、自動で表示を切り替える機能サマータイム設定の切替機能のオン・オフにも連動しています。
通常の時刻とカレンダーからサマータイムの表示に手動で切り替えると、サマータイム設定の切替機能は、オン(「自動」となって電波受信によって自動で切り替わるようになります)になります。
逆に、サマータイムの時刻とカレンダーから通常の表示に手動で切り替えると、サマータイム設定の切替機能は、オフ(「手動」となって電波受信をしても切り替わらなくなります)になります。
つまり、一度手動でサマータイムが表示されないように設定するとずっとそのまま、ということです。
また、手動でサマータイムが表示されるように設定すると、電波を受信するごとにサマータイム信号を調べて、それに合わせて時計の時刻やカレンダーを、サマータイム表示にしたり通常表示にしたりと、自動で切り替える、ということになります。

ワールドタイム機能の設定地域ごとにサマータイムの設定を行う

サマータイム制度は国や地域によって、行っていたり行っていなかったりと、状況はそれぞれ異なります。
ですから、時計のサマータイムの設定サマータイム設定の切替機能も、これに合わせてきめ細かく設定できるようになっています。
この時計では、ワールドタイム機能の設定地域は24ありますが、その地域一つ一つに別々の設定を行うことができるのです。
具体的には、まずワールドタイム機能の地域を設定し、その上でサマータイムの設定を行う、という順番になります。

サマータイムの設定の連動

この時計では、サマータイムの設定サマータイム設定の切替機能が、ワールドタイム機能の設定地域ごとに行えます。
このことは、地域ごとにきめ細かく設定できる一方で、逆にちょっと面倒なことにもなってしまいます。
欧米など人の往来が活発な極めて地域では、複数の時差をまたぐように移動する人は珍しくありません。
このような人にとって、いく先々でその都度その都度、電波を受信してサマータイムの設定を切り替えるのは面倒極まりない作業と言って良いでしょう。
でも、大丈夫です。
この時計では、次のグループに属する地域のいずれかで、サマータイムの設定が切り替わると、同じグループに属する他の地域でも連動して切り替わるようになっています。


アメリカのグループ

代表地域の表記時差
ANCHORAGE (ANC) アンカレジ-9
L.ANGELES (LAX) ロサンゼルス-8
DENVER (DEN) デンバー-7
CHICAGO (CHI) シカゴ-6
NEW YORK (NYC) ニューヨーク-5

ヨーロッパのグループ

代表地域の表記時差
LONDON (LON) ロンドン0
PARIS (PAR) パリ+1
ATHENS (ATH) アテネ+2
AZORES (PDL) アゾレス諸島-1

これらのグループに属していても、サマータイム設定の切替機能をオフ(つまり「手動」)にしている地域では、そちらの設定を優先して連動しませんので安心です。


この時計のサマータイムの機能は、実に細かいところまで配慮が行き届いていると思いませんか?
複雑そうに見える機能も、結局は時計を使っている人のニーズにきめ細かく応えていくための進化だったんですね。

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