@Sunao noto

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2020年、COVID-19の感染拡大によって、
前田さんの生活にどのような影響がありましたか?

私の所属するバレエ団では、2020年3月中旬からスタートする予定だった公演がまず中止になりました。その1週間後にはスタジオもクローズしてしまい、レッスンはもちろん公演リハーサルもできなくなりました。最初は、この状況がいつまで続くのか本当に不安な気持ちでいっぱいだったのですが、所属するカンパニーがオンラインでクラスを配信してくれたので、自宅でも毎日トレーニングを続けることができました。

そのような状況の中で、
ご自身の考え方に何か変化はありましたか?

練習やリハーサルができるスタジオ、そして何より「舞台で踊れる」という環境そのものに、今まで以上に感謝するようになりました。すぐに以前のような状態に戻ることは難しいかもしれませんが、素晴らしいステージ、そして私たちのバレエを楽しみにしてくださっているみなさんの前でまた踊れる瞬間を、心待ちにしています。

ニューノーマルな生活の中で時間の使い方は以前と変わりましたか?

以前はバレエのクラスやリハーサル、公演など、朝から晩までバレエ漬けの毎日。常に時間に追われるような生活でした。自宅で過ごす時間が増えたことで、少し余裕が持てるようになり、最近は自分自身を磨く努力にも時間を費やしています。自宅でできる基礎トレーニングはもちろん、料理や編み物など新しいことにチャレンジする時間も増えたので、新たな自分を知るよい機会にもなりました。

活動拠点のイギリスから日本に一時帰国されていたとのことですが、
イギリスにまた戻ったとき、どんなことを感じましたか?

日本には3ヶ月ほど帰国し、2020年7月の初めにイギリスに戻ってきました。その頃はまだ、グループで集まることなども禁止されていたのですが、現在は以前の状況に、少しずつ戻ってきているように感じます。
4ヶ月ぶりにイギリスに帰国し、久しぶりに友達に再開したときは、本当にいろいろな感情が湧いてきましたね。バレエができることや、友達に会うこと、今で当たり前だと思っていた日常が実は本当にありがたいことだったんだな…と、あらためて感じました。

前田さんが今後やろうと思っている活動や、
チャレンジしたいことについて教えてください。

私と同じバレエ団のメンバーが、「ディスダンシング」という野外でソーシャルディスタンスを生かしたダンスパフォーマンスを立ち上げたんです。通りがかった人たちが無料で鑑賞できるイベントなのですが、今までバレエやダンスに触れたことがない人たちにも知っていただく、とてもよい機会だと思いました。私も将来、そのようなイベントが開催できたらと考えています。

前田さんが日々ポジティブに過ごすために心がけていることは?

私は小さい頃から「夢を見るから、人生輝く」という言葉を大切にしてきました。このような状況下で、思うようにいかないこともたくさんあると思います。そんな中でも、将来の自分から感謝されるよう1日1日を大切にして、日々努力を続けることで、目標や夢に少しずつでも近づくことができるのではないかと信じています。

前田さんにとっての"Better Starts Now"とは?

どんな状況であっても、自分にできることを探して、チャレンジし続けることです。例えば、バレエ教室やジムが使えなくても自宅でできるトレーニングメニューを考えたり、いつもより少しでも早起きして、ストレッチやランニングをしたり。本当に小さいことでもいいので、毎日何かチャレンジすることが大切なのだと思います。

前田紗江さん プロフィール

  • 1998年、横浜市生まれ。7歳のとき、マユミキノウチバレエスタジオにてバレエを始める。2014年ローザンヌ国際バレエ コンクール第2位スカラシップ賞を受賞、文部科学大臣表彰を受ける。同年、ロイヤルバレエ学校入学。2017年ロイヤルバレエ学校卒業時に、THE ASHTON AWARD 2017 と THE LONDON BALLET CIRCLE DAME NINETTE AWARD の2つの賞を受賞。現在は、英国ロイヤルバレエ団に所属。これからのさらなる活躍に世界の目が集まる。
前田紗江さん 着用モデル
前田紗江さんには、2017年、シチズン Eco-Drive Oneのブランドムービー「美しさ。だけしか要らない。」に出演いただき、Eco-Drive Oneを着用いただきながら、タップダンサーの熊谷和徳さんと共に即興でパフォーマンスをしていただきました。