TECHNOLOGY

テクノロジー

技術の先に目指すもの

シチズンは100年を超える歴史のなかで、
数々の技術を生み出してきました。

結果的に「世界初」や「世界一」となったテクノロジーでさえ、
理想の腕時計を追い求めるうえでのプロセスに過ぎません。

そしてこれらの技術はいま、CITIZEN Lが願う
持続可能な未来のためにも活かされています。

光と共に動き続ける技術
Eco-Drive

「エコ・ドライブ」は太陽光や室内のわずかな光も電気エネルギーに変えて時計を動かす技術。定期的な電池交換の必要がなくなったことで廃棄電池を削減し、地球に優しい技術として1996年にエコマークを取得しました。この技術は時計業界で初めて「エコマークアワード 金賞」を受賞しています。

1970年代

社会課題に向き合う
次世代エネルギーの開発

1973年の第一次オイルショックのとき、新しいエネルギー源の開発は社会的なテーマでした。私たちは腕時計の新たなエネルギー源として、太陽光で動く「光発電時計」の研究開発をスタート。このプロジェクトには、これからの腕時計の新しいエネルギー源としての期待が込められていました。

1976年

困難を乗り越えた
世界初のアナログ式光発電時計

1970年代のソーラーセルは技術的にまだ試行錯誤の段階でした。厚みがあり割れやすく、時計のような小さなものに組み込むことは非常に難しかったのです。数々の試行錯誤を繰り返し、1974年にプロトタイプが完成。2年後の1976年には世界で初めてアナログ式光発電時計「クリストロンソーラーセル」が誕生しました。

1986年

諦めずに研究することで
「普段使いできるソーラー腕時計」へと進化

世界初の技術として注目を集めた「クリストロンソーラーセル」ですが、当時の技術では日常生活に耐えられるレベルではありませんでした。しかし1980年代になると技術の進歩によって時計に適した電池が登場。この新たな技術を活用し、「普段使いできるソーラー腕時計」をテーマに改良を重ねた結果、1986年に世界で初めてフル充電200時間駆動を実現するモデルを発表しました。1995年には、リチウムイオン二次電池を採用することで、フル充電で6ヶ月間駆動できるモデルを開発。現在の『エコ・ドライブ』につながるモデルが誕生しました。

エコ・ドライブに込めた想い

現在、シチズンではシチズン独自の光発電技術を「エコ・ドライブ」と呼んでいます。この名前は光を動力源として時計を動かす仕組みというだけではなく、「エコ(Eco)」には環境へのやさしさが、そして「ドライブ(Drive)」には、使い続けることでお客様一人ひとりに環境意識を高めてもらいたいという思いが込められています。これからももっと地球に、環境に優しい技術として挑戦していきます。

環境に負荷を与えない技術 AO oil

時計が動き続けるために欠かせない素材のひとつが潤滑油(オイル)です。このオイルが劣化すると時計が止まってしまうだけでなく、電池の消耗や部品の劣化などを引き起こし、時計の寿命を短くしてしまいます。そこでシチズンは「夢の潤滑油」として合成系の劣化しにくいオイル「AO oil」を開発しました。部品が劣化しないことで時計を長持ちさせ、メンテナンスによる環境負荷を抑える技術。これを独占することなく世界中の時計メーカーにシェアすることで、時計産業全体の環境に対する負荷を減らしています。

理想的な素材
スーパーチタニウム™

人が身に着ける腕時計にふさわしい素材とはなにか。
シチズンがたどりついたひとつの答えが、「スーパーチタニウム™」。ステンレスの5倍以上の硬さで、軽いのにキズに強く、肌にやさしくてサビにくいという特徴を持っています。厳選されたオーダーメイドのチタニウム素材のみを採用し、加工の難しさを長年の研究によって乗り越えていきました。この技術によって、いままでにない強くて美しく、心地よい時計を作り出すことができるようになりました。チタニウムの可能性を信じ、技術を磨き続けて半世紀。シチズンは、この素材の可能性をこれからも探求しつづけていきます。

1960年代

宇宙開発から
腕時計の理想的な素材を求めて

人類初の月への有人宇宙飛行「アポロ計画」に世界が湧いていた1960年代。チタニウムは、軽くて強くてサビにくいという特性から、宇宙用素材として注目を集めていました。チタニウムの特性を、人が身に着ける腕時計外装の理想的な素材として利用できないか。そんな発想からシチズンはチタニウム技術への研究を始めました。

1970年代

無限の可能性へ込めた期待
世界初のチタニウム外装の腕時計

優れた可能性を秘めた素材でありながら、加工の難しいチタニウム。1970年、その技術の壁を乗り越え、シチズンはついに世界初のチタニウム外装を持つ腕時計を発表しました。未知の記号として用いられる「X」と、無限大の記号として用いられる「8」を組み合わせた 「エックスエイト(X-8)コスモトロン・クロノメーター」。この製品名には、チタニウムという未知の素材が持つ無限の可能性への期待が込められました。

1987年

強く、美しく、心地よく。
ひとに優しい腕時計

研究を重ねていくうちに、チタニウムには人が身に着ける腕時計の外装素材として、さまざまな利点があることが分かってきました。耐メタルアレルギー性もその一つです。
そして、人にやさしい腕時計を目指した結果、「エックスエイト(X-8)コスモトロン・クロノメーター」の発売から17年間の研究開発を経て、1987年に発売されたのが「アテッサ」でした。

* 耐ニッケルアレルギー、耐メタルアレルギーに対応しているのは『スーパーチタニウム™』を採用した製品のうち一部のモデルとなります。

優しくて、強い
スーパーチタニウム™

世界初のチタニウムウオッチの発売から半世紀経ったいま、シチズンのチタニウムは「スーパーチタニウム™」として多くの時計に搭載されています。加工するのが難しいチタニウムの加工技術を研究していくことで、肌への優しさとキズつきにくい硬さ、そして美しさを与えることができるようになりました。優しくて強い素材は多くの人に心地よさを提供できる。これがスーパーチタニウム™に込めた私たちの想いです。