PEOPLE 01

YUTO YAMAZAKI

PRODUCT DESIGNER/ ALLOY代表

冷たさの中にある、あたたかみ。
金属という素材に対する
尽きることのない興味と探究心。

金属を中心とした、家具や照明、生活雑貨などプロダクトデザインの設計・製作を行う「ALLOY」主宰の山崎勇人さん。東京・蔵前にあるアトリエショップでは、ハンマーを叩く、ミシンを踏むなど、もの作りの心地よい振動が空間に響き渡る。山崎さんがここに至る人生の過程、その周りには、常に“素材”があった。高校時代は森林化学科で木材について学び、専門学校を経て就職したメーカーでは、アルミニウムをはじめとした金属加工に従事。その傍ら自身は革に惹かれ、現在では金属と革を組み合わせたプロダクトもデザインしている。

「デザインするにあたって、まず素材を知らないと入っていけない」と断言する山崎さん。「アートを作るわけではないので、その過程も念頭に置かないと、コストや形状にも反映されますから。耐久性や加工の仕方などの特性を知ることが、第一前提ですね」中でも金属への興味は、向き合うようになってから15年間経った今もなお、色褪せることがないという。

「僕は、とくに無垢の金属が好きなんです。“金属”というと冷たいイメージが強いと思いますが、実は冷たさの中にあたたかみもある。経年変化もするし、生きてるって感じがする。だから樹脂のような加工物とはまるで違いますし、一方で、革や木のように完全に天然というわけでもない。その、ちょうど中間のような存在ですね」

金属の中でも、アルミニウムやステンレス、真鍮などと比べると、まだ歴史の浅い素材であるチタニウム。優れた特性はあるが加工しづらく、一般への流通量や、加工慣れした職人が少ないなどのデメリットがある一方で、ポテンシャルは計り知れないものがあるという。「合金と比べて質の良い特性を備えていながら、貴金属ほど肩肘張らない。カテゴリーを容易に振り分けることができない分、どちらにでも振れるような懐の深さがある。もっと多くの人に身近に感じてもらえるといいと思いますね。」

またチタニウムは金属アレルギーを起こしにくく、人間に優しい素材でもあるという。「以前骨折をした時、治療で体内にチタンプレートを埋め込んだんです。それもあってか、僕にとっては不思議としっくりくる素材」と親近感を窺わせる。工学系の用途のみならず、むしろより生活に触れるシーンやアウトドアに落とし込むなど、新しい使い途が楽しみな素材のひとつであると、職業的な探究心も滲ませる。

そんなチタニウムを贅沢に使った「アテッサ」を山崎さんに試してもらうと、やはり金属のプロフェッショナルならではの感性が働くようだ。「素材の特性が関係しているのでしょうか、着用時の違和感もなく、冷たさも感じない。軽いのはチタニウムの特性ですが、それでいて見た目に重厚感がある。高級感とカジュアルのバランスがちょうどいいですよね。そして、秒針のカラーリングにちょっとした遊び心が加えられているのもいい」

「フェイスやベルト、それぞれ異なる表面処理を加えることで、質感や色味を絶妙に変化させていますよね。角度を変えるごとにいろんな表情を見せてくれるから、存在感がある。たとえばシルバーやブラックの単色だと使えるシーンが限定されますが、複数あることで、スーツやカジュアル、アウトドアでも使える、その振り幅も大きな魅力」。着け心地、見た目の印象、あらゆるところに素材が効いていて隙がない。チタニウムのポテンシャルの高さが、この一本に巧妙に隠されていたようだ。

山崎さんにとって腕時計をする意味は、身に付けることで“時を感じられる”から。「中でも金属性の腕時計はつけているだけで安心感を得られるので、無意識に選んでしまっているかもしれません。とは言いつつもファッションを楽しみたいという気持ちもあるし、ときには周りから『金属を扱うプロだから』という目で見られることも。だから打ち合わせなどには、やっぱりお気に入りをしていきたいですね」

これからも、いろいろなプロダクトにチャレンジしたいという山崎さん。「できる限り機能は重要視しつつも、それでいて長く使いたくなる、気に入っていただける、そういう満足度につなげていきたい」デザインのヒントにするのは、例えば自然界のもの。「植物とか貝殻だったり、そういう科学的じゃないフォルムを意識しながら、オリジナリティのあるものを作っていきたいですね」

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エコ・ドライブGPS衛星電波時計 F900:オフはもちろん、オンでも映える大人の品格を纏った“黒”。加工時の熱間鍛造工程で発光するチタニウムをイメージしたオレンジの挿し色が映える。

PROFILE : 山崎 勇人

1981年東京都生まれ、埼玉県秩父市育ち。2001年より製造メーカーのエンジニアとして勤務。2011年イタリアのデザイン、文化に触れるため、渡伊。帰国後、東京都台東区に拠点を設け、2013年「ALLOY 」をスタートさせる。

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