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地球の最深部に導かれるまで。
抑えきれない、フロンティアへの憧憬。

Q. 深い海の底に興味を持った経緯と、どのように現在のキャリアがスタートしていったかについて教えてください。

A. 兵庫県の播州赤穂で生まれ、小さい頃から海には親しんでいました。自然に囲まれた環境で育ったこともあり、地球規模の問題、特に砂漠の緑化に取り組みたいと考えるようになり、大学に入学。その後、環境問題について学ぶうちに、何十年も続く社会人生活において、誰もやっていないことに挑戦したい、常にワクワクできる研究を続けていきたいと思うようになりました。そこで思い至ったのが、マリアナ海溝という深海だったんです。私が大学入学した頃、マリアナ海溝の最深部である水深1万m超のチャレンジャー海淵と呼ばれる場所に到達した人間はまだ2人しかいなかった。だから私は3人目になりたいという思いで、深海探査の世界に強い興味を持つようになりました。フロンティアに対する憧れの気持ちは、当時も今も変わりません。こう考えると、環境問題への興味と、未知の場所へ向かうという冒険心が自分の中で渾然一体となって、自分のキャリアがはじまっていったのかなと感じます。

深海で感じた、圧倒的な臨場感。
異次元の空間がどこまでも続く。

Q. 中谷さんは、実際に太陽の光が届かない深海に潜水されたことがあるそうですね。その時の興奮について教えてください。

A. JAMSTECに入所して、人間が行くのは難しい深海にロボットを送り込む、というプロジェクトに関わるようになりました。同時に、ロボットではなく私自身が深海を体験してみたいという思いも強くなっていきました。そしてついに2015年、有人潜水調査船「しんかい6500」に乗り込む機会を得たんです。それまでもロボットを使って深海探査の経験は重ね、深海から送られてくる画像なども見慣れていました。でも、調査船の中から感じる「深海」はそれまでイメージしていた世界とは全く別物だったんです。私が到達したのは深度1300mほどのエリアでしたが、高さが30mほどもあるチムニー(煙突状の地形)から熱水が吹き出ているのを確認できたり、この熱水から栄養を摂る生物が目の前を泳いでいたり。当然ですが、奥行きや臨場感など、画像で見る世界とは異なるリアルなスケール。三次元の世界として感じる深海は想像を超えた壮大さで、やっぱりワクワクする場所だったんです。

ボタンひとつで深海を調査。
そんな未来への挑戦がはじまろうとしている。

Q. 現在、中谷さんがリーダーとして牽引するTeam KUROSHIOとは、どのような組織なのでしょう?
そして、今まさに挑もうとしているプロジェクトとはどのような内容なのですか?

A. アメリカのXPRIZE財団が主催する世界的なコンペティションに参加するため、国内8機関で組織された、総勢約30名のエキスパート集団がTeam KUROSHIOです。このチームには、海中ロボット開発の研究者や水中機器開発、海底調査、音響通信、衛星通信など、様々な分野の専門家が集結。私たちのチームは世界各国のチームが参加するコンペでの優勝を目指しています。コンペのテーマは、水深4,000mという深海で、東京ドーム1万個分に相当する広大な海底の正確な地形図を作ること。この困難なミッションに私たちは挑もうとしているのです。深海の広大な地形図を作成すること自体難しいのですが、さらにこの調査を全てロボットだけで行うというレギュレーションがミッションを一層、難しくしています。つまり、海中ロボットが洋上ロボットによって岸壁から無人で運ばれ、調査ポイントで切り離されて海底へ自動で潜って地形調査を行う。調査後は、海中ロボットが浮上して海面でまた洋上ロボットと一緒になって岸壁まで帰ってくる。これら一連のオペレーションを我々が陸上にいながら遂行していかなくてはなりません。これらの自律型ロボットをどれだけ意のままに働かせるか、海中でいかに電源を長持ちさせるかなど課題は多いのですが、こうした研究がより深まっていけば、手軽に大深度の探査を行える時代が必ずやってきます。ボタンひとつで深海のことがつぶさにわかるような世界のことを私たちは「ワンクリックオーシャン」と呼び、そんな未来の実現に向けて、このチャレンジをキッカケに、有用な技術をどんどん開発していきたいと考えています。

仕事に活きる、大局観。
将棋から得た学び。

Q. 困難なミッションに挑み続ける仕事以外の時間、どんなことをして過ごしていますか? また、趣味の世界が仕事に好影響を及ぼすことはありますか?

A. 趣味といえばスキューバダイビングと将棋ですね。特に将棋は幼稚園の頃から好きで、少なからず影響を受けていると思います。将棋にはプロジェクトと同じく、序盤、中盤、終盤があって、どの場面でどれだけ時間を使うか、どこに駒(リソース)を配置して連携させるかが勝負のカギになってきます。当初の構想を大事にしつつも、刻々と変わる状況に対して、柔軟にそしてスピーディーに応じていく。それによって醸成されるのは大局観であり、こうした感覚が仕事にも活きていると感じます。

気品を感じるダイバーズウォッチ。
だからいつでも一緒にいられる。

Q. 現在、身につけている「プロマスター」エコ・ドライブのダイバーズウォッチについて、その印象を聞かせてください。

A. ダイバーズウォッチには無骨というイメージがありますが、このクロノグラフはそれとは全く異なる印象ですね。いかにもダイバーという感じではなく、エレガントでスマート。スポーティでもあるし、フォーマルな印象もあるので、どんな場面にも身につけていて違和感がない。さり気なく華やかなので、身につけていて程よい高揚感もありますね。

「Team KUROSHIO」

中谷武志 さん / 海洋研究開発機構

1981年兵庫県生まれ。東京大学大学院博士課程修了後、東京大学生産技術研究所にて自律型海中ロボットの開発に関わる。2011年、海洋研究開発機構(JAMSTEC)に入所し、海中探査機の開発に従事。これまで「じんべい」「ゆめいるか」「おとひめ」といった海中ロボットの開発を担当。現在は、約30名のエキスパートが集結する「Team KUROSHIO」のリーダーとして、2018年12月に控える海底探査技術の国際コンペティション「Shell Ocean Discovery XPRIZE」に向けた研究開発に没頭。シチズンはこのTeam KUROSHIOの活動をプライムスポンサー/オフィシャルサプライヤー(「プロマスター」として契約)としてサポートしている。

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