デュラテクト

それは、やわらかな発想から生まれた『硬い』技術です。

デュラテクトとは、時計のケースやバンドに特殊な加工処理をすることで、日常使用によるすり傷や小傷から、時計本来の輝きや仕上げの美しさを保護するためにシチズンが独自に開発した表面硬化技術の総称です。

加工技術 名称 主な特長 ピッカース硬度
IP技術 デュラテクトα 従来のデュラテクトTiC/PTiCより2倍以上の硬さを実現しました。キズに強いだけでなく高級品に相応しい輝きも備えています。
White(SD-W)、Metal Gray(SD-MG)、Rose(SD-R)の3色が可能。
Hv2,000〜2,500
デュラテクトTIC

IP技術を用いて硬化被膜をコーティングし、表面を硬質化。鏡面仕上げおよびヘアーライン仕上げが可能となります。

・チタニウム色調を生かし、主にチタン商品に採用。

Hv1,000〜1,200
デュラテクトPTIC

デュラテクトT I Cに貴金属であるプラチナをさらにコーティング。
硬度の高いまま、その厚みを制御することで、プラチナの美しい色調やステンレスと同等の色調を実現。

・主に高級品・女性用商品に採用。

Hv1,000〜1,200
デュラテクトGOLD 独自の加工技術を用いて、硬質皮膜上に金と合金化合物をコーティング。
従来不可能とされていた金色デュラテクトを実現しました。
Hv1,300〜1,500
低温プラズマ技術 デュラテクトDLC DLCとはDiamond Like Carbonの略で、主に炭素と水素で構成される非晶質のカーボン硬質膜をコーティング。
精悍なダークグレー色でデュラテクトのバリエーションが拡大。
Hv1,000〜1,400
ガス硬化技術 デュラテクトMRK

チタン素材にガスを表面から浸透させて素材の表面を硬化処理しました。
キズがつきにくい、鏡面処理を実現しました。

・過酷な環境で使われるスポーツウオッチに採用。

Hv1,300〜1,500
複合硬化技術 デュラテクトDLC/MRK ガス硬化技術により表面を硬質化したチタン素材にDLCをコーティング。 Hv1,000〜1,400
デュラテクトα/MRK ガス硬化技術の「MRK」と、「デュラテクトα」を組み合わせた技術です。硬質化した素材表面に硬質被膜が重なることで、更なる耐傷性を実現するほか、耐メタルアレルギー性も優れています。 Hv2,200〜2,500

「DURA(デュラ)」はラテン語で“硬い”の意味。
Hv ビッカース硬度:Vickers Hardness 材料の硬さを表す尺度。

表面硬化技術

IP技術
デュラテクトα デュラテクトPTIC デュラテクトTIC デュラテクトGOLD

IP(イオンプレーティング)とは真空装置の中で金属をイオン化し、部品の表面に被膜をコーティングする技術です。
乾式めっきとも呼ばれ、腕時計には主に装飾目的で使用されてきました。
(③シチズンのイオンプレーティング P.58参照)
シチズンでは独自の技術により硬質被膜のコーティング処理に成功。
部品の材質、形状、仕上げにとらわれず適用範囲が広く、カラーバリエーションも豊富です。
高級品、レディス、チタニウム、ステンレス商品と幅広いモデルに展開されています。

低温プラズマ技術
デュラテクトDLC

プラズマCVD技術とは真空装置の中で原料物質を含むガスをプラズマ化し、化学反応させたのちに部品の表面に吸着コーティングする技術です。
DLC被膜はダイヤモンド構造を一部含んだC(炭素)とH(水素)からなるアモルファス構造をとり、結晶粒界がないため高硬度で非常に滑らかな被膜です。
独特なダークグレー色は高級品、ファッションモデルのバリエーションのひとつとして拡大展開中です。

ガス硬化技術
デュラテクトMRK

真空炉にガスを封入し、熱処理を施すことでチタン素材の表面に20〜30μmの硬化層を形成させることにより、時計の表面を硬質化する技術です。
『軽い・錆びない・金属アレルギーを起こしにくい』というチタニウムの特性はそのままで、ケース表面の硬質化に成功しました。
ハードな使用環境下で効果を発揮し、チタニウムのスポーツモデルに採用されています。

複合硬質化技術
デュラテクトDLC/MRK デュラテクトα/MRK

ガス硬化技術の「MRK」と、「デュラテクトα」または「DLC」を組み合わせた技術です。硬質化した素材表面に硬質被膜が重なることで、更なる耐傷性を実現します。

キズつきにくさの比較

当社キズ試験機による擦キズの比較

試験後のサンプル 試験後表面の凹凸(粗さ)状況

TI(素材)

デュラテクトTIC

デュラテクトα

試験条件: アルミナ粉末(30μ)を1.5Kgfの加重にて30 回スライドさせたもの
※注意:硬いものに擦りつけたり、強い衝撃を加えるとキズや打痕がつく場合がありますのでご注意ください。
表面硬化処理ですので、素材そのものの硬化ではありません。

材質硬度について

代表的なケース(側)材質のビッカース硬度

ビッカース硬度(Hv)
ビッカース硬度は、素材にダイヤモンド製の圧子を押し込むことで測定されます。
この試験方法は、極めて硬い材料も測定でき、また試験用途も大変広く、他の硬さ試験の基準にも利用されています。
表面被膜硬度については、低荷重で被膜硬度のみを測定したものです。
日常使用によるキズのつきにくさをそのまま表現する尺度ではありません。

耐摩耗性と美しい黒を実現するデュラテクトDLC

DLCとはDiamond Like Carbon(ダイヤモンドのようなカーボン)の略で、主に炭素と水素で構成される非晶質のカーボン硬質膜のことです。
素材によって応用範囲が限定されていた表面加工技術DLCを独自の技術で改善。従来難しかった素材への加工が可能となり、シチズン独自の<デュラテクトDLC>が高い耐摩耗性を持つ硬く美しい黒のケースやバンドを実現します。