ホーム > エコ・ドライブの原点

〜その種は、言葉よりも前にまかれた。〜エコ・ドライブの原点

  • 第一章〜エコ・ドライブ紀元 「太陽で動く時計をつくれ」
  • 第二章〜エコ・ドライブ創世 「ふつうに使って止まらない時計にせよ」
  • 第三章〜エコ・ドライブ成熟 「太陽光発電をふつうにする時計へ」

基準からつくり直せ〜エコ・ドライブ創世「ふつうに使って止まらない時計にせよ」

展開当初のロゴ表現

実は、シチズンにおけるソーラーパワーウオッチの開発は一時中断している。その頃の背景を知る数少ない証言者は、こう語る。

「当時の太陽電池や二次電池の性能を考えると、これが限界というところにたどり着いていたんです」
しかし、技術開発への想いが消えていたわけではなかった。

1970年代に突き当たっていた技術的な壁は、発電量や耐久性の問題だった。前述の単結晶シリコンの発電量はクオーツを動かすには十分であるものの、利便性を考えると物足りない部分もあり、電池の寿命が5年程度と短かった。これでは電池を交換する必要のないソーラーパワーウオッチ本来のメリットを活かすことができない。それが開発中断にいたった主な理由だ。

しかし1980年代に入ると、その壁をぶち破る新しい技術が登場した。

アモルファスシリコンを活用したソーラーセルと電気二重層コンデンサーと呼ばれる電子デバイスである。

アモルファスシリコンは単結晶シリコンにくらべて薄型にでき、室内光で発電するにも適している。さらに加工がしやすく多様なデザインに対応できる。電気二重層コンデンサーはそれまでの二次電池にくらべて信頼性が高く、充電と放電を繰り返してもほとんど劣化しないので、寿命も長くなる。この2つの特長を組み合わせると、より優れた光発電ウオッチをつくることができる。ここから新たな歩みが始まった。

「日常生活でふつうに使っていて、止まらない時計をつくろう」
_それが担当者の合い言葉になった。

フル充電200時間駆動を実現したモデル<キャリバーNo.411>

「ふつうに使っていて、とまらない時計」。実は、その見極めも難しかった。光発電ウオッチが動き続けるためには当然のことながら光が必要だ。しかも光の当たる角度によっても発電量は違ってくる。腕につけるという特性上、冬場などはコートやジャケットの袖で時計が隠れる時間も増えてくる。どれだけの発電量があれば良いか?また、どれだけの電力を蓄えることができれば良いのか?前例がないだけにさまざまな工夫をしながら、数多くの社員が参加しテストを繰り返していった。その当時の担当者はこう述懐する。

「その頃は、計測用に使用する機械もあまりなく、必要に応じて手作りしていました。ある社員が発電量をはかるための箱の図面を引いてつくってみたら、部屋がいっぱいになるくらいの大きさになったという笑い話もあるくらいです」
_ここにも、シチズン伝統のチャレンジ精神が生きていた。

<キャリバーNo.781>

担当者たちは改良に改良を重ね、まずフル充電200時間駆動を実現したモデルを1986年に発表した。

その後、電気二重層コンデンサーの容量をはるかに上まわり、かつ有害物質を含まないリチウムイオン二次電池(通称:MTセル)をいちはやく採用し、フル充電で6ヶ月駆動というモデルを1995年に送り出した。それは、現在のエコ・ドライブにつながる金字塔となったのだ。

キャリバー78系が登場した頃から、時計本来のデザインを追求したモデルが増えていくことになる。
それはエコ・ドライブの新たな可能性を切り拓いていく大きな原動力となるのである。

〜その種は、言葉よりも前にまかれた。〜エコ・ドライブの原点
PAGE TOP